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F.S.S.DESIGNS4感想30―あとがき等

Category : F.S.S.
ネタバレあるので、連載をまだ読んでいない人、単行本派の人、映画『花の詩女』未見の人は注意。
基本的には「デザインズ4」の見出しごとにメモ。










■あとがき
あとがきによると、読者から「ニュータイプが買いづらい。F.S.S.のみ収録した雑誌を出してくれ」という要望が多いらしい。なるほどねえ。確かに恥ずかしい表紙のときってあるけどね。で、作者はこれに対して次のように答えている。


これに関しましては、「ニュータイプに掲載されているからこその『ファイブスター物語』」という連載開始以来の大前提があります。なので、あり得ません。
以前はこういった「子が親の一部を食う」という本末転倒なムックが出ていることに危機感をもっていました。なので今後は絶対にやらないと決めております。
(p140)



ここで永野が言っているムックというのはたぶん「テールズオブジョーカー」のこと。連載3回分をまとめた形式でおよそ三ヶ月ごとに発売されていた。なるほど、「子が親の一部を食う」というのは問題だし、また、永野的にはF.S.S.を若い読者の目に半強制的に入れてくれるニュータイプという媒体は大切なのだろう。とくに現在のF.S.S.は設定改編によって何割かの読者を失っており、新規読者がほしいという状況でもあるし。

それは判るんだけど、やっぱ「TOJ」が出ないのは残念だ。私にとって「TOJ」の良い点は、
・紙質が良いので変色しないところ
・F.S.S.が大判サイズで読める
・NTのF.S.S.特集記事の再録
・永野護ファンクラブ会報的な雰囲気
といったところだった。せめて大判サイズの単行本が出てくれれば良かったんだけど、それも白紙になっちゃったし悲しい。いつも言うけど、単行本サイズで読むのと大判サイズで読むのとではまったく別の読書体験なので、大判で読めないのは損失だ。最近はディルアングレイとかバクチクとかだって「普通のCD」と「Blu-spec CD」の2タイプで出したりしてるんだから、F.S.S.だって「普通の単行本」と「大判単行本」で出してもいいじゃないか。それでも足りない人には「原稿サイズ単行本」も出す。音楽でいえばスーパーオーディオCDみたいな扱いやな。


■スタッフクレジット
今回のスタッフクレジットはとてもシンプルなんだけど、これはなぜだろう。『デザインズ』1~3巻よりもさらにシンプルになってしまった。『ナイトフラグス』や『スモークウォール』のスタッフクレジットはとても詳細なものだったんだけど。


■三色の娘
本編で一応は登場している三色の娘。
顔は今回が初公開のはず。
服の雰囲気が本編とはまるで違っている。
本編で数ヶ月にわたって顔を見せずに引っ張ってきたこのキャラクター。ある意味ではこのデザイン画集のなかで一番、意外性のあるデザインだった。顔も服もなんだかまったくF.S.S.らしくない。というと批判しているみたいになってしまうけど、別にそういう意図はない。顔立ちはどこかの少年マンガに出てきそうな感じだし、服はF.S.S.では珍しく思春期的でちぐはぐなコーディネートになっている。ここまで直球の思春期ファッションがF.S.S.に登場した例ってあったっけ。ちょっと思い出せない。
作者的にはこのデザインで読者の若返りを狙ってるのかな。
本編でどう動くのか今から楽しみ。


■ファティマ・オディール(ブラック・スワン)
本書最後のキャラシート。
『デザインズ』1~3巻ではウェディングドレスがトリを飾ったが、今回はこれ。


■その他の感想
ファティマ・オデットで『デザインズ4』は終了したので、ここからは本書全体への感想。発売された当時に書いたもの。

・オレンジ色が多い件
いままで全然、気付いてなくて信者失格なんだけど、F.S.S.のキャラシートってオレンジ色がめっちゃ多い。今回の『デザインズ4』はやたら鮮やかな印刷なせいか、オレンジ色がよく目立つ印象。永野ってオレンジ色好きだったんだ~という今さらの発見。好きっていうか便利な色なのかな。キャラクター2人に1人くらいはオレンジ色が入っているのでは。ということで調べてみた。「デザインズ4」の人物とロボット計64キャラのうち22キャラにオレンジ色が入っている。うーん、多いのか少ないのか……。

・メヨーヨ大帝の新規キャラシートが見たかった件
もちろん見たかったのはおヒゲを取った大帝。

・ページ数があるのはやっぱ便利な件
これまでの大判画集って、画集なんだから当然でしょと言わんばかりにページ数が記されていなかった。その点、今回は引用するときに楽だ。

・デザイン画の日付がなかった件
『デザインズ』1~3巻にはデザイン画の描かれた日付が入っていて資料的な価値があったのだが、今回は日付なし。ないだろうなーとは思ってたけど。1~3巻は永野デザイン総まとめ的な本だったから、あれが特別だったのだろう。

・もっと大きい絵を増やして欲しかった件
いや、これでも十分に大きいんだけど、「F.S.S.カレンダー」が大きくて素晴らしかったので、なんだかB4の本書でも小さく感じる。次の画集を「アニメグラフ」に倣ってA2とかで出してくれたら泣いて喜ぶ。もしくはカレンダー形式でもいいので。

・色が鮮やかな件
「デザインズ4」は全体にかなり発色のはっきりした印刷になっているのに驚いた。
90年代のキャラシートは美しい色だったけど、落ち着いた色でもあった。作者が常々語るところによればあれはリスマチックセルゆえの色合いであったらしい。00年代にはデジタルセルに切り替わり、それからもう10年以上経っているのだが、「デザインズ4」でいきなり色の感じががらっと変わった印象を受ける。この発色の良さは予想していなかったし、F.S.S.らしくないとも感じた一方で、従来にはなかった立体感というか、存在感もある。観ていて飽きない。作者にはこのような発色となった理由にも触れてほしかったな。
たしか『スモークウォール』(2003年)の後書きだったと思うけど、作者はシアン夫人の赤色と黄色の鮮やかなキャラシートに添えて、「アニメは原色ギラギラであるべき」という意味のことを語っていた。それが予言であったかのようにして作者はその後、連載を休止しアニメを作り始めたわけだが、できあがった映画『花の詩女』はぜんぜん原色ギラギラではなかった。見ているこっちは、えっ、ってなったのだが、そのギラギラ感が「デザインズ4」で来た感じ。
印刷の話のついでにメモ。
私は廉価版である「デザインズ」1~3巻って、印刷のレベルは従来の大判画集から落ちてるもんだと思い込んでいたのだが、作者によれば逆だったらしい。

この「DESIGNS」シリーズの印刷は「F.S.S.」作品集史上と言いますか、この手の画集においては驚異的な印刷レベルで仕上げられている(後略)
(『F.S.S.デザインズ3』p104)


お買い得価格のわりに印刷水準は高かったのね。ちなみに印刷時の色合いをコンピュータ上の元データに近づける作業は永野護の仕事であるらしい。全キャラにたいしてその作業するのは大変そう。そういう辺りはさすが、マンガ家ではなくデザイナーを名乗ってる作者らしいや。

あと一回で終了。

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