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永野護100問100答(NT2014年9月号)感想(1)

Category : F.S.S.
お知らせ
映画『花の詩女ゴティックメード』
再上映リクエスト受付中!
見たい人は「ファン登録」して投票すべし。
https://www.dreampass.jp/m342768
※NT2014年9月号で、事実上のソフト化しない宣言が出ました。見たい人はやっぱり投票するしかないようです。



「永野護100問100答」感想
発売から何ヶ月も経っちゃったけど、ニュータイプ2014年9月号の「永野護100問100答」の感想を書いておこう。すべて編集者からの質問なんだけど、いつものインタビューよりも立ち入った個人的な質問もあって面白かった。

1 ドリパスで続々と「花の詩女ゴティックメード」の公開が決まっていますが、どう思いますか?

 (略)ただ、製作側の我々から「やります」とか「見てくれ」とかプッシュするのではなく、あくまで見たいという方々の熱意と要望で今後も続いていけば良いと思います。再上映は製作側の都合や宣伝ではなく、見たいという方の素直な想いで実現するのがこの映画の幸せな形だと思います。
 (略)リクエストして下さる方、企画のドリパスの方々、そして上映していただいている各地の映画館関係者の方々に感謝しています。なんて恵まれた映画なのでしょうね。ありがとう。
(強調引用者)



ここでの永野のスタンスは面白い。映画の再上映は永野や角川書店の都合ではなく、あくまでファンからのリクエストによって成立すべきだ、というスタンス。なるほど100%ファンの熱意によって支えられたムーブメントにこそ価値があるというのは判る。

永野のこのスタンスはわりと徹底してて、以前、ドリパスで5都市上映があった際、広島の上映ムリかもって状況になってようやく永野ツイッターが一度だけ宣伝したことがあったけど、それ以外はほとんど何も宣伝していない。あの不自然なほどの宣伝しなさも上のコメントを読んで納得した。とはいっても、もう一回くらい全国上映になってほしいから、ガンガン宣伝してくれ、とも思うけど。単行本13巻発売に合わせて全国再上映希望。

再上映が続いているこの状況って永野を含めた製作者たちにとって嬉しい誤算だったんじゃないかな。多くの読者たちがドリパスにリクエストを続け、定期的に再上映されているわけだが、たぶん誰もこんな状況は想定していなかったはず。もしドリパスがなければ、さすがの永野護だってしゃーないDVD化すっか、と折れてたかもしれない。でもドリパスでのリクエストがあるなら「劇場で見て欲しい」という永野の希望は(図らずも)叶い続けることになるし。

にしても、作者がドリパス宣伝やDVD化を拒むのは角川にとっては横暴かもしれず、なぜそこまで作者の要望が通るのかは謎だが。

6 よく読むマンガはありますか?

 (略)最近では「進撃の巨人」が久しぶりのフルオリジナルという感じで(似たような作品画風がない、物語と世界をきちんと作っている)面白いですね。(略)



『進撃の巨人』きたー!
永野がこの作品を面白いと言っているのは個人的にとても納得のいく話だ。だって『進撃』ってF.S.S.にしか見えないし。諫山創の、描画能力に比べて極端に秀でた世界設計/世界運営の能力という才能のあり方は、永野護のそれと相似形だ。言うまでもないことだけど、自分がつくった世界を魅力的に魅せる絵柄をもっている点も二人に共通している。永野はコメントのなかで「世界をきちんと作っている」ことを評価しているが、それは自身が世界設計の作家だからだろう。世界の感じも含めて、『進撃』読んでるとF.S.S.読んでるような気分になるし。以前、『ジョジョの奇妙な冒険』とF.S.S.は似てると書いたけど、それとは別の部分で似てる。

ぶっちゃけ、F.S.S.は『進撃の巨人』に読者を取られていると言っても間違いではない(なんですって!)。きっとマモちゃん、『進撃』をライバル視しているだろうとは思っていたけど、あっさり「面白い」と認めるとはちょっと驚いた。

あと今まで考えなかったけど、ミーハー永野のことだから『進撃』的な意匠(たとえばあの「巨人」のような何か)をF.S.S.に登場させかねない。設定の辻褄合わせなんてどうにでもなるのだから、ジョーカー世界の何千年か未来の設定にしてもいいし、タイカのような別宇宙の話になってもいい。

あと検索したところ、『進撃の巨人』とF.S.S.のパロディイラストとか出てきて楽しかった。

ちょっと話が逸れるけど、永野護の才能について誰かに説明するのに、「小説家の清涼院流水が作中のJDC(数十人いる探偵組織)のキャラを全て自分でデザイン化し、作中の世界もすべてデザイン化し、さらにマンガに描いちゃってロボットも出てくる(ただし密室は出てこない)」というのを考えたけど、伝わらんか。たとえば庵野秀明も富野由悠季もべつに一人で世界を作るわけじゃないし、自分でロボットを描くわけじゃないが、なぜか永野護だけ自分で世界を作ってロボットも描いてるという。そういう意味では、ロボットも美少女も世界設計もストーリーもすべて一人でやらねば気が済まなかった永野護って異様だと改めて思う。もちろんどちらが良い悪いみたいな話じゃない。

10 連載やデザインズなどで圧倒的なアウトプットをされていますが、インプットはどこでどんな形をすることが多いのでしょうか?

 (略)とはいえ、ひとつの新しいロボットを作るのに5年から10年くらいの情報収集(ぼけーーっとした時間)が必要になりますね。
(強調引用者)



ここでいう「ひとつの新しいロボット」というのはきっと、ロボット単体のことではなくて新しい構造のロボットのことであろう。これまでに永野護が発表したロボットのシリーズを時系列で並べると以下。

1984年頃「ヘビーメタル」公開
1986年頃「モーターヘッド」公開
1998年頃「アンチボディ」公開
1999年頃「シェル」公開
2006年頃「ゴティックメード」公開(ただし初期稿)

モーターヘッドからアンチボディまでに約12年、シェルからゴティックメードまでに約7年掛かっている。おおよそ作者の言う「5年から10年くらい」という言葉通りになっているな。恐ろしいのは、ゴティックメードのデザイン公開から既に9年(!)が経っているということだ。つまり、そろそろGTMではない新しいロボットが永野の頭の中にあっても変でないのだ。まじかよ、やめてくれ(←と言いつつ新しいのも見たい人)。ふと思ったけど、この作者、GTMにも飽きたらまたF.S.S.改編するのかな。
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