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NT2016年9月号感想(連載7回)ツラック隊 アウクソー

Category : F.S.S.
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※NT2014年9月号で永野監督は「映画で作ったものは映画館で見ないとおかしいじゃない?」と発言。事実上のソフト化しない宣言。見たい人は「ファン登録」してから投票しよう。
※個人的にはこの映画の鑑賞は2回目以降が本番。1回目「なんか変わった映画だな……」。2回目「背景や細部の描写が美しいなあ……」。3回目「良い物語だなあ(涙)」。

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今月のニュータイプが発売されたのでF.S.S.の感想を書いていく。
ネタバレ注意。





■扉ページ


AFアウクソーの既出キャラシート。

エピソードのタイトル部分に「アクト3:ステージ8」と書いてある。確認してみると先月は「ステージ7」となっていた。でも現在の「ツラック隊」は正しくは「ステージ5」のはず。懐かしい言い方をすると、「ヘマ発見」。

■本編


今回のエピソードのタイトルは
「ADDLER 2946
ツラック隊インサートエピソード
=ファティマ・アウクソー=」
というもの。


バランシェの屋敷……
破壊されるバランシェの屋敷。そういえばこの屋敷は、第5話「ザ・シバレース」でも若かりし頃のボード・ビュラードが幼いメガエラを救うエピソードでも破壊されていた。いろいろ災難な屋敷だな、と思って確認したらビュラードが破壊したのはバランシェ邸の隣の建造中の建物だった。

バランシェ邸の全景は本編において何度も描かれてきた。たとえば第1話「ラキシス」において当時は機会音声――マシンボイス――のカタカナセリフがクールだったランドアンド・スパコーンによってビョイト卿が殺される場面や、第3話「トラフィックス」のバランシェの最期のエピソードや、第6話「マジェスティックスタンド」プロムナード内のちゃあのアルバイト先などとして描かれてきた。それらと比べてみたところ今回とくにデザイン上の変化はなかった。バランシェ邸は2013年設定大改編の余波を受けていないらしい。

カイエン……
ページをめくると、カイエンの大ゴマきたー! しかも変なアングル、変な表情で面白い。良い絵。今までのカイエンのなかでも一番好きなコマかもしれない。

カイエンの服……
今回のカイエンが着ているのはカイエンの最初のキャラシートのときの服。カイエンといったらこの服であろう。が、おそらく本編でこの服を着た戦闘は今回が初のはず。F.S.S.にカイエンが登場して27年目にして。カイエンのファンは喜んでいるのではないか。

それにしてもこの服、ずっと謎なのが左肩に垂れてる赤色の何か。これは一体なんなのだろうか。軍服の意匠をアレンジしたものであろうと思われるが、なんか上から濃い赤色→赤色→オレンジ色とグラデーションになっていたりして謎。この点も含め、この服ってF.S.S.の様々な服のなかでもどことなく異質感がある。

メル・リンス……
分身して様々なポーズをとるリンスの大ゴマが、市川春子『宝石の国』みたいに見えるのが面白い。リンスも久しぶりの登場。2004年連載の本編でソープ、東の君と会話するシーン(リブート7巻)以来かな。

カイエンvsリンスという設定について……
言うまでもないけど、今回の「カイエンvsリンス」は本編のなかで既に一コマだけ描かれている。それは第4話「放浪のアトロポス」でシーブル軍から逃げるソープとアトロポスが地下道のなかで回想するシーン(リブート4のp337)。ちなみにそのコマでのリンスはおそらくAFクローソーと同一であろう服を着ていた。

それともう一つ紹介しておくと、今から20年以上前のカイエンの設定では、「対メル・リンス戦も、どうせ戦いならが彼女を口説いていたのは間違いない」(キャラクターズ7のp14)とされていた。今月の連載では口説くシーンは描かれなかったが、バランシェ屋敷から飛び出てくる前に口説いていた可能性はある。

描き文字……
カイエンが剣を振る際の「ブン」という描き文字がスイングに合わせて流れている。あまり見たことなかった表現な気がする。

人間vs人間……
なんか人間同士で戦ってるのは久しぶりに見た気がする(リンスは正式には人間ではないけど)。第6話はMHやGTMの戦闘シーンは多いが、人間同士のある程度の尺のある戦闘描写は少ない。ざっと確認したところ、第6話の冒頭のボスヤスフォートvsマグダル(約5ページ分)以来であるようだ。へー。ガットブロウを使用したまともな戦闘というのも今回が初めてのはず。設定改編時、「ガットブロウに違和感がある」と言っていた読者たちもそろそろ慣れてきたんじゃなかろうか。私は今回、ぜんぜん違和感なく読めた。

天照の髪飾り……
花の髪飾りがかわいい。これって割と新しいアレンジだろうと思って確認したら、天照の一番最初のキャラシート(第1話当時)の時点で髪飾りはすでに描き込まれていた。いいかげんな記憶だ。主人公の最初のキャラシートのデザインを忘れるとは信者失格すぎる。

バランシェ……
バランシェまできたー。若いイケメンバランシェ。私は下級信者なので気付かなかったが、上級信者によればこれはファティマボディになった後のバランシェらしい。そうか。それにしても今月はオールスター勢ぞろいだな。というか、そもそもこの第6話自体がオールスター勢ぞろいのお話なのだが。

オールスターたちの描き分け……
オールスターといえば、オールスター全員集合の第6話は作者にとって「描き分け」という点でとても厄介なエピソードだと思う。膨大な数のキャラを描き分けなければならない上に、そのキャラたちは第1~5話までの主役を張ったようなキャラたちなので「良い顔」で描かねばならないのだから。物語がメインの数人を主軸に進むのではなく、いわば全員が主役という状態。

バランシェの髪型……
髪型が以前より大人しくなっている。第6話冒頭でミース・バランシェがカイエンの出生の秘密を暴露する場面の回想コマのバランシェは髪の縦のボリュームが今回よりももっと凄かった。さらに古い例、本編に若いバランシェが初登場した第3話のクーンとハイアラキが出会うエピソードではさらに前髪がそびえ立っていたわけで、連載の時代を経るごとにバランシェの髪は大人しくなっていったと言える。私は永野護が時代の趨勢に合わせてデザインや描写をリファイン――たとえば80年代のクローソーの巨大な肩パーツが10年代には非常にこぶりになっている、など――していくのを見るのも好きだが、バランシェの髪型に関しては第3話当時のようにボリューム全開なのも見てみたかった。という気もするけど、時代錯誤っぽく見えてしまうだろうか。

バランシェの服……
今回のバランシェは服の描写が細かい。胸の五本線や服の縫い目まで細かく描き込まれている。コスプレする人には参考になりそう。

統血……
ソープのセリフに「統血」という単語。どうも医学用語であるらしく文脈に合わないのでおそらく誤植。検索すると正しくは「純血(じゅんけつ)」ではないかという指摘があって納得した。

剣聖の暴走……
カイエンについてのソープのセリフ「この世にこの男を制御できるものがどこにいるの? ラーンの詩女以外」。もし剣聖が暴走してしまったら誰の手にも負えない、という事実が恐ろしい。ちなみに『デザインズ5』のなかでも「暴走した剣聖を倒せるのは他の剣聖か「総帝」だけである。総帝の判断が僅かでも遅れれば超帝國は消し飛ぶ。」(p9)と書いてあった。

とはいえ、私には今回の暴走すらカイエンにとっては本気モードではなかったようにも見える。

幼少のAFアウクソーの「勘当」……
新年表にあった通り、AFアウクソーが「勘当」された。

服を汚したことを気にするリンス……
さすがファッションマンガ。この服、誰かの大事な服なのだろうか。考えてみたけどちょっと分からなかった。

天照の神の力……
今月は天照の神の力が二つ具体的に描かれている。一つはリンスを回収し、一本の髪の毛(?)に戻す場面。もう一つはカイエンを復活させる場面。とくにカイエンを復活させたのは人間の生死すらコントロールできる天照の超常パワーが描かれた珍しいシーンだと思われる。従来のケースでいうと、天照(ソープ)はたとえば第3話「トラフィックス」では死期の迫るバランシェを復活させようとしたり、第4話「放浪のアトロポス」ではアーレン・ブラフォードに狙撃され殺されたときに自力復活しよう試みたりしているが、いずれもケースでも神様パワーは行使されずじまいだった。

カイエンは死ぬはずだった……
カイエンについてのソープのセリフ「この出血じゃもう手遅れなんだ」。つまりカイエンは本来ならこの場で死んでいたということ。へー。

カイエンの腕をつかむアウクソー……
この構図はアウクソー幼少時からなのかと笑った。これまでにも似たようなポーズのシーンが3つあった。
  • 第3話「トラフィックス」で二人がミハエル・レスターのいる基地(?)にドロボーに入る直前、カイエンに寄り添うシーン(リブート3p71)。
  • 第4話「放浪のアトロポス」のミラージュレフト反乱時に怖気づいてトンズラしようとするカイエンを制止しようとするシーン(リブート4p72)。
  • 第6話「マジェスティックスタンド」冒頭のハスハ王宮でカーテンにしがみつくカイエンを引っぺがそうとするシーン(リブート7p24)。

  • 第3話のシーンはただの愛情表現だったが、それ以外はカイエンの情けないシーンばかりっていう。受難のAFアウクソーの今後やいかに。

    今月の連載はカイエンとアウクソーのミラージュ行きの経緯が明らかとなったところで終了。来月もアウクソーの話が続くんじゃないか。



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