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3DはF.S.S.に何かをもたらすか

Category : F.S.S.
今月のF.S.S.連載でなんと、なんの予告も前触れもなく、突如としてGTMツァラトウストラ・アプターブリンガーが公開された。その美しい立ち姿には実在感があり、まるでガレージキットの完成品を見ているようだと思った。というか、永野護の手元にはツァラトラの「実物」があるんじゃないか。実物がなけれ3DのCGか。


ということで以下、今年1月に書いた3Dについての日記。


 * * *


■3Dプリンター
この10年ほどで一般化した電気製品として「3Dプリンター」がある。

模型の原型師たちのような職人から一般まで、広く普及しつつあるこの楽しい科学技術に、あの永野護が飛びつかない、なんてことがあるだろうか(いやない)。

私の想像だが、永野のアトリエには立派な3Dプリンターがすでに設置されていて、ラキシスのアイスクリーム靴が転がっている(註)という作業机には、3DプリントされたGTMのあらゆるパーツが大量に転がっており、パソコンのなかにはGTMの3Dデータが大量に入っている。ファティマの衣装の3Dデータなんかも当然あるだろう。3Dに関しては作者が「バーチャファイター」にハマっていた90年代から3Dソフトでいろいろ遊んでいた可能性はあるな。

 (註1)NT2016年4月号Q&Aより

永野もデザイナーなんだから3Dプリンターぐらい所持していてもおかしくはないと思う。おなじデザイナーである大河原邦男は、「旋盤など数十種類の本格工作機械」を持っているらしい(註1)。永野だってデザインのためなら何だって買うだろう。

 (註)傑作“ガンプラ”誕生秘話…「ザク」のモチーフは「背広」だった 「ガンダム」メカデザイナー大河原邦男氏の先見性

ただ、永野は2012年に「デザインってすべて一発で来るんです。[…]手直しするとかありえない」(註)とか言っているので、「パーツを3Dプリントしつつ試行錯誤してデザインを完成させる」というやり方は好まないかもしれない。

 (註)ユリイカ総特集永野護 p15

■3Dデータの本編流用
3Dプリントはともかくも、GTMの3Dデータ化というアイデアはF.S.S.連載において変化をもたらすかもしれない。たとえば3Dデータ化したGTMをそのまま連載に使ってしまう。実際、映画『花の詩女ゴティックメード』の製作では当初、GTMの3D描写も検討されていた。その案がボツになったのは、GTMの実物大でのモデリングに時間がかかりすぎると判明したからに過ぎない(註)。つまり時間的・物理的な障壁がなければF.S.S.本編のGTMの3D‐CG化もありうるのではないか。色や質感がどうなるのかちょっと想像できないが。

 (註)ユリイカ総特集永野護 p16


■3Dデータの本編活用
もうちょっと間接的な3Dデータの活用方法もありうると思う。たとえば、現在連載中の「ツラック隊」にはGTMバーガハリが何度となく登場しているが、その基本的なフォルム(ディテール抜き)をシンプルな3Dデータにしておく。それをパソコン上でぐねぐね動かせば連載執筆において構図決めと執筆がやりやすくなり、執筆スピードが上がるという寸法だ。3Dデータに起こす作業は必ずしも永野が行う必要はなく、専属のスタッフに任せてもよい。

問題は、先に書いた実物大演算の本格3Dにせよ、シンプル3Dにせよ、まずGTMの正面はもちろんのこと背面をもデザイン画に起こす必要があるということだ。どうやら「背面」というものにあまり興味がないように見える(註)永野にとってこれは非常に面倒くさいことかもしれない。

 (註)MHの背面デザインにはコマによって「揺れ」がよくあった。それは永野がMHの背面にたいして興味がない証拠ではないだろうか。もしその背面デザインが永野にとって重要なら描き間違えたりしないと思う。ちなみにだが、その昔永野はMHの背面について、「背面とかの見えないところってのは、自由範囲っていうか、残しちゃってるんですね」(『キャラクターズプラス1』p41)と語っているのだが、本当は描くのが面倒くさいだけではないかと私は疑っている。

いまのところ、本編の連載を読んでいて「3Dデータを見ながら描いている」という印象は受けない。が、私の目は信用ならないからな。



 * * * 


以上が1月の日記。

GTMツァラトラについての感想はあとで書くが、先に一つだけ書いておくと、私にはあのキャラシートにちょっとした(もしくは決定的な)不満がある。ネットで「ツァラトラ」と検索しても同じことを言っている人が一人も見つからない。私がおかしいのか。



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